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プロンプトエンジニアリングとは、AIに意図どおりの回答を出してもらうために、指示文(プロンプト)を設計し、改善していく考え方と作業のことです。
初心者が最初に押さえる基本の型は、役割・目的・条件・出力形式・例示・段階的な指示の6つで、すべてを毎回書く必要はなく、足りない要素を1つ足すだけでも回答は変わります。
本記事では、コピーして使える型の例、手法の使い分け、よくある失敗と直し方を順に整理します。
「どうやってAIに指示を出せばいいか分からない」と悩む方は、まず基本構成の節にある完成例を自分の用途に書き換えて試してみてください。
なお、各社の公式ガイドは2026年10月15日に開いて内容を確認しています。モデル名や提供範囲は更新が早いため、本文では特定のモデル名に頼らない書き方にしています。
この記事でわかること
- プロンプトエンジニアリングとは?基礎知識と重要性
- なぜ今プロンプトエンジニアリングが必要なのか?
- プロンプトエンジニアリングの基礎となる3つの大原則
- ChatGPT・Claude・Google AIで使えるプロンプトの基本構成と公式ガイドの見方
- 代表的なプロンプトエンジニアリングの手法一覧
- SNS運用・業務効率化に使えるプロンプトの仮の例
- プロンプトエンジニアリングを学習・上達させるためのステップ
- モデルが変わってもプロンプトで変わらない考え方
- よくある失敗と直し方
プロンプトエンジニアリングとは?基礎知識と重要性

プロンプトエンジニアリングとは、AIから望む出力を得るために、指示文の書き方を工夫し、結果を見て直していく技術です。
OpenAIの開発者向けガイドも、モデルに向けて効果的な指示を書く工程としてこの言葉を説明しています(OpenAI「Prompt engineering」)。
プロンプトとは、人間がAIに対して入力する「指示」や「質問」のことです。
指示に含まれる情報が具体的であるほど、AIは意図を取り違えにくくなります。
AIは大量の文章から学習していますが、あなたの目的や読み手、使える材料までは知りません。
そのため、何のために・誰に向けて・どんな形で欲しいかを言葉にして渡すことが、プロンプトエンジニアリングの中心になります。
また、根拠にしてほしい資料を貼り付け、「資料に書かれていないことは分からないと答えてください」と条件を付けると、誤った内容をそれらしく出力するハルシネーション(嘘の生成)を減らす助けになります。
ただし、プロンプトだけで誤りをゼロにはできないため、数字や固有名詞は出力を受け取ったあとに自分で確認する前提で使います。
なぜ今プロンプトエンジニアリングが必要なのか?
プロンプトエンジニアリングが必要とされる理由は、同じAIでも指示の具体性によって回答の使いやすさが変わり、その差を埋められるのが指示を出す人だからです。
ChatGPT、Claude、Geminiのような生成AIは、仕事や学習で日常的に使われるようになりました。
使う人が増えるほど、「AIの性能」より「指示の出し方」が成果物の差として表れやすくなります。
AIの性能を引き出す鍵になる
生成AIはモデルの更新が早く、名称や得意分野も変わり続けています。
一方で、AnthropicとGoogleの公式ガイドはどちらも、明確で具体的な指示を出すことを基本として挙げています(Anthropic「Prompting best practices」、Google「Prompt design strategies」)。
曖昧な指示では一般的な回答になりやすく、目的や条件を添えると回答を絞り込みやすくなります。
例えば「記事を書いて」という指示では、AIは読み手も文字数も分からないまま、無難な文章を返すしかありません。
「SNS運用を始めたばかりの初心者向けに、投稿ネタの探し方を、見出し付きで800文字程度でまとめて」と書けば、確認すべき点が絞られます。
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業務効率化に使えるかを判断する基準になる
プロンプトを整えると、下書きの作成、情報の整理、文章の言い換えといった繰り返しの作業を任せやすくなります。
どれだけ時間が減るかは作業の種類と確認の手間によって変わるため、本記事では削減時間の数字は示しません。
代わりに、任せる作業の向き不向きを次のように切り分けてください。
下書き、要約、表への整理、言い換え、アイデア出しのように、出力を人が読んで直せる作業はAIに向いています。
一方で、数字や法令、最新の仕様のように間違いが許されない内容は、AIの出力を一次資料と照らして確認する工程を残します。
毎回同じ前提を書く手間は、ChatGPTのカスタム指示で省けます。設定例はChatGPTカスタム指示の設定例をまとめた記事で紹介しています。
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プロンプトエンジニアリングの基礎となる3つの大原則
プロンプトエンジニアリングの3つの大原則とは、AIに役割と背景を伝えること、条件と制約を具体的に書くこと、出力形式を指定することです。
どのAIを使う場合でも、この3つを入れるだけで、回答を使える形に近づけやすくなります。
次の節で、ここに目的・例示・段階的な指示を足した6つの要素の型を紹介します。
AIに「誰として振る舞うか」と、その依頼が生まれた背景を伝えます。
Anthropicのガイドは、役割を一文でも設定すると応答の振る舞いと口調を絞りやすいと説明しています。
読み手、文字数、使ってほしい言葉と避けたい言葉など、判断に使う条件を書きます。
条件を書かないと、AIは一般的な読み手を想定して無難な回答を返しやすくなります。
表、箇条書き、見出し付きの文章など、受け取りたい形を指定します。
形式を決めておくと、回答をそのまま資料やメモに貼って使いやすくなります。
3つの中で最初に入れるべきなのは、読み手と目的を含む「背景」です。
役割だけを足しても目的が曖昧なままでは、回答の方向は定まりません。
手法の違いは、後の「代表的なプロンプトエンジニアリングの手法一覧」の表で整理します。
ChatGPT・Claude・Google AIで使えるプロンプトの基本構成
プロンプトの基本構成とは、役割・目的・条件・出力形式・例示・段階的な指示の6つの要素を、必要な分だけ書き分ける型のことです。
ChatGPT、Claude、Geminiのどれを使う場合も、この6つの要素をそのまま使えます。
要素ごとに何を書くかを、仮の例と合わせて表にまとめます。
| 要素 | 書く内容 | 書かないと起きやすいこと | 仮の例 |
|---|---|---|---|
| 役割 | AIに担ってほしい立場と視点 | 視点が定まらず、一般論の回答になる | あなたは社内イベントの担当者です。 |
| 目的 | 何のために、誰に向けて作るか | 読み手に合わない文章になる | 他部署の社員に、勉強会への参加を呼びかける。 |
| 条件 | 文字数、避ける言葉、前提となる情報 | 長すぎる、専門用語が多いなどの修正が増える | 専門用語は使わず、300文字以内にする。 |
| 出力形式 | 表、箇条書き、見出し付きなどの形 | そのまま貼れず、整形の手間が出る | 件名と本文を分けて表示する。 |
| 例示 | 期待する文体や形式の見本 | 文体やトーンがずれる | 文体の見本:「お疲れさまです。来週、勉強会を開きます。」 |
| 段階的な指示 | 先に確認する点や、作業の順番 | 不足情報を推測で埋められる | 足りない情報があれば、先に質問してから文面を作る。 |
6つの要素を1つの指示にまとめた完成例を、仮の例として示します。
役割:あなたは社内イベントの担当者です。
目的:他部署の社員に、来週の社内勉強会への参加を呼びかけるお知らせ文を作ります。
条件:専門用語は使わず、300文字以内にしてください。日時と場所は私があとで追記するので、本文には書かないでください。
出力形式:件名を1つ、本文を1つに分けて表示してください。
文体の見本:「お疲れさまです。来週、勉強会を開きます。」
進め方:足りない情報があれば、先に質問してください。回答を受け取ってから文面を作ってください。
この完成例は仮の例なので、用途に合わせて役割・目的・条件を書き換えて使います。
最初から6つ全部を埋める必要はなく、結果が期待と違った要素から足していくのが現実的です。
公式ガイドで確認できる共通点
3社の公式ガイドを見比べると、基本構成に近い項目がそれぞれ挙げられています。
下の表は、2026年10月15日に各ページを開いて確認した項目の整理で、記載の言い回しは編集部が要約したものです。
| 提供元と公式ガイド | ガイドで挙げられている主な項目 | 本記事の6要素との対応 |
|---|---|---|
| Anthropic「Prompting best practices」 | 明確で直接的な指示、文脈の追加、例の活用、XMLタグによる構造化、役割の設定 | 役割・目的・条件・例示 |
| OpenAI「Prompt engineering」 | メッセージの役割(developerとuser)、MarkdownやXMLによる区切り、入出力の例を示すfew-shot、関連する文脈の提供 | 役割・出力形式・例示 |
| Google「Prompt design strategies」 | 明確で具体的な指示、few-shotの例、制約、応答形式、文脈の追加、複雑な依頼の分割 | 条件・出力形式・例示・段階的な指示 |
表の対応は編集部が当てはめたもので、各社のガイドがこの6要素の名前を使っているわけではありません。
公式ガイドの詳細は更新されるため、実際に使うモデルの記述は直接ページで確認してください。
コツを一度にすべて使おうとせず、目的のタスクに合わせて取捨選択することが大切です。
一つずつ試し、AIの反応の変化を観察してみてください。
1. 見出しや記号で情報を整理する
指示、材料、例を混ぜて書くと、AIがどこまでが指示でどこからが材料かを取り違えることがあります。
「目的:」「材料:」のようにラベルを付けたり、材料を区切り記号で囲んだりすると、境界がはっきりします。
AnthropicとOpenAIのガイドも、指示と材料をXMLタグやMarkdownで区切る書き方を紹介しています。
2. 手順や考え方を確認したいときは、段階を指定する(Chain of Thought)
Chain of Thought(CoT)は、結論を出す前に考える手順を書き出させる手法です。
推論の機能を備えたモデルでは、頼まなくても内部で段階的に考えることがあるため、毎回「ステップバイステップで」と書く必要はありません。
途中の考え方を自分で確認したいときや、手順を番号で見たいときに、「根拠を先に3点書いてから結論を出してください」のように使います。
3. 肯定的な表現で書く
「〜しないでください」だけを並べるより、「〜してください」と望む状態を書いたほうが、AIは何を目指すかを理解しやすくなります。
例えば「専門用語を使わないで」だけでなく、「中学生にも伝わる言葉で説明して」と書き添えます。
避けてほしいことは、肯定的な指示を書いたうえで補足として加えます。
4. 例示を交える(Few-Shot)
期待する出力の例をいくつか見せると、AIは形式やトーンを合わせやすくなります。
Googleのガイドは、プロンプトにfew-shotの例を含めることを推奨しています。
仮の例として、「入力:りんご → 出力:赤い果物」「入力:バナナ → 出力:黄色い果物」と見せてから「入力:ぶどう」と続けると、同じ形式で答えを返しやすくなります。
例は実際の用途に近く、ばらつきのあるものを選ぶと偏りを避けられます。
5. 出力の長さとトーンを具体的に指定する
「簡潔に」だけでは長さの基準が伝わりません。
「300文字以内で、箇条書きでまとめて」「親しみやすい口調で」のように、長さと口調を言葉にします。
数字で指定しても守られないことがあるため、出力を見て調整します。
6. 実行前に、理解した内容と不足情報を確認させる
本番の依頼の前に、「依頼の内容をあなたの言葉で要約し、不足している情報があれば質問してください」と添えます。
AIの理解がずれていないかを先に確認できるため、長い作業を頼むときの手戻りを減らせます。
回答を受け取って問題がなければ、「その内容で進めてください」と続けます。
7. 日本語と英語を試し比べる
英語のほうが高い精度が出るかどうかは、モデルや用途によって異なり、一律には言い切れません。
日本語で十分な結果が出ない場合は、同じ内容を英語でも書いて比べ、よい方を採用するのが現実的です。
英語で依頼する場合は、「出力は日本語で書いてください」と指定します。
代表的なプロンプトエンジニアリングの手法一覧
プロンプトエンジニアリングの手法とは、役割の指定、例示、段階的な思考、依頼の分割など、AIの回答を目的に近づけるための書き方の型のことです。
手法の名前は研究や各社のガイドで整理されてきたもので、基本の6要素を実際の作業に当てはめたものと考えると理解しやすくなります。
代表的な手法を、使う場面と合わせて表にします。
| 手法名 | 概要と特徴 | 適している場面 |
|---|---|---|
| Zero-Shot Prompting | 例示を与えず、指示だけを出す基本的な手法。 | 簡単な質問や、一般的な知識を問うシンプルなタスク。 |
| Few-Shot Prompting | 期待する回答の例を示してから指示を出す手法。 | 特定のフォーマットや、独特なトーンで回答させたい場合。 |
| Chain of Thought (CoT) | 考える手順を書き出させ、推論の過程を確認できるようにする手法。 | 複数の条件を比べる判断や、計算の過程を確認したい場面。 |
| ロールプロンプト | AIに立場や視点を与え、回答の見方と口調を絞る手法。 | 読み手に合わせた説明や、視点を固定した文章を作りたい場合。 |
| プロンプトチェーン(依頼の分割) | 大きな依頼を小さな依頼に分け、前の出力を次の入力に使う手法。 | 構成作成から執筆まで、工程が分かれる作業。 |
| メタプロンプト | AIに、プロンプト自体の改善案を作らせる手法。 | 自分で書いた指示がうまく働かず、書き直しの方針が欲しい場合。 |
プロンプトチェーンは、Googleのガイドが複雑な依頼を分割する方法として紹介しています(Google「Prompt design strategies」)。
どの手法も、使えば必ず結果が良くなるものではなく、出力を見て合う手法に切り替えながら使います。
メタプロンプトは、「私が書いた次の指示を、目的がより伝わる形に書き換え、変更した理由も説明してください」と頼む使い方です。
AIが提案した書き換えは目的とずれることもあるため、採用するかどうかは自分で判断します。
岡田流!SNS運用・業務効率化の実践的プロンプト例
SNS運用と業務効率化のプロンプト例とは、基本の6要素を投稿アイデア出しや社内文書の整理に当てはめた、コピーして書き換えられる指示文のことです。
ここで紹介するのは、基本の型をSNS運用と業務に当てはめた仮の例です。
実際の成果や削減時間を示すものではなく、自分の用途に書き換えて試すための見本として使ってください。

プロンプトは一度で完成させず、結果を見て条件を足していく前提で使うと安定します。
AIの出力は下書きとして扱い、公開前に自分で内容を確認する流れを決めておきましょう。
Instagramの投稿アイデアを出すプロンプト
SNS運用では、投稿のアイデアを継続的に出し続ける必要があります。
次のように、役割・目的・条件・出力形式を入れて依頼すると、候補を比べやすい形で受け取れます。
役割:あなたはSNS運用の企画担当です。
目的:AIの副業に興味がある初心者に向けた、Instagramの投稿アイデアを考えます。
条件:初心者がつまずきやすい悩みを10個挙げ、それぞれに解決のヒントを1行で添えてください。収入や成果を約束する表現は使わないでください。
出力形式:悩み、解決のヒント、投稿タイトル案の3列の表で出してください。
これは仮の例です。
出てきた案は、そのまま投稿せず、自分の経験や根拠のある情報に置き換えて仕上げます。
Instagram運用そのものの考え方は、Instagram運用を解説するおかぴにっきにまとめています。
メモを業務マニュアルに整えるプロンプト
箇条書きのメモを、他の人が読める手順書に整えるのも、AIが得意な使い方の一つです。
次の仮の例では、材料を区切って渡し、出力形式を指定しています。
役割:あなたは業務マニュアルの編集担当です。
目的:新しく担当になる人が読んで迷わない手順書にします。
条件:メモに書かれていない手順や数字を付け足さないでください。判断に迷う点は、末尾に質問として並べてください。
出力形式:番号付きの手順と、注意点の見出しに分けてください。
材料:ここに、手順のメモを貼り付けます。
重要なのは、AIの出力をそのまま使うのではなく、実際の作業と照らして人が確認することです。
顧客情報や社外秘の内容を入力する前に、利用するサービスの規約や設定でデータの扱いを確認してください。
議事録やメール返信のように、型が決まった文章のプロンプトは、議事録作成プロンプトをまとめた記事とメール返信文のプロンプトをまとめた記事も参考になります。
プロンプトエンジニアリングを学習・上達させるためのステップ
プロンプトの上達とは、依頼を書き、出力を確認し、足りない要素を直す一連の作業を、実際の用途で繰り返して型を身につけることです。
基礎を学んだら、次は実際の作業で試して直す流れを作ります。
ここでは、初心者から次の段階へ進むための学習方法を3つの手順で整理します。
メールの下書き、文章の言い換え、情報の整理など、結果をすぐ判断できる作業から始めます。
同じ依頼を指示を変えて試し、出力の違いを比べると、どの要素が効いているかが分かります。
公式ガイドや、出典が明らかな事例のプロンプトを読み、役割・条件・出力形式のどれが書かれているかを見分けます。
コピーして使う場合は、自分の用途に合わせて条件を書き換え、機密情報を含めないようにします。
期待外れの回答が返ってきたときは、指示のどこが曖昧だったか、前提条件が足りていたかを振り返ります。
直した点を一つずつ変えて試すと、何が効いたのかを切り分けられます。
プロンプトエンジニアリングに唯一の正解はなく、試して直す過程そのものが学習になります。
特に、失敗した理由を要素ごとに分けて考える習慣が、次の依頼を書くときに役立ちます。
型を使った上達の方法は、ChatGPTのプロンプトを上達させる方法をまとめた記事でも紹介しています。
最新AIにおけるプロンプトの進化と未来予測
プロンプトの進化とは、モデルが推論や長い文脈を扱えるようになるにつれて、細かな手順の指示より、目標と判断基準を伝えることの比重が高まる流れのことです。
モデルの名称や提供範囲は更新が早いため、本文では特定のモデル名を現行の最新として固定しません。
使う直前に、各社の公式モデル一覧で最新の構成を確認してください(Claudeのモデル一覧、Geminiのモデル一覧)。
OpenAIのガイドは、推論に強いモデルには高いレベルの目標を伝える書き方が向き、GPT系のモデルには明示的な指示が必要だと整理しています(OpenAI「Prompt engineering」)。
Anthropicのガイドも、複数の段階にまたがる推論はモデルが内部で扱える場合が多く、中間の出力を確認したいときに依頼を分割する、という位置づけで説明しています(Anthropic「Prompting best practices」)。
つまり、使うモデルによって、手順を細かく書くべきか、目標を渡すべきかが変わります。
プロンプト不要論は本当か?
AIが賢くなるにつれて、「将来的にプロンプトエンジニアリングは不要になる」という意見もあります。
AIにツールを操作させて作業を進めさせる使い方(エージェント)も、公式ガイドで扱われるようになりました。
ただし、その場合も、何をさせるか、どこまでを任せるか、どう確認するかを人が決める必要があります。
モデルが変わると、書き方の細部は変わります。
一方で、目的・読み手・条件・確認の基準を言葉にして渡すという考え方は、使うモデルが変わっても共通して必要になります。
モデルを乗り換えるときは、同じ依頼を新しいモデルで試し、出力を比べて書き方を調整してください。
プロンプトエンジニアリングでよくある失敗と対策
プロンプトのよくある失敗とは、指示が曖昧、複数の依頼の詰め込み、材料の不足、出力の無確認といった、書き方と使い方のずれのことです。
多くの失敗は、基本の6要素のどれかが抜けていることから起きます。
代表的な失敗と、直し方の仮の例を表にまとめます。
| よくある失敗 | 起きること | 直し方(仮の例) |
|---|---|---|
| 指示が抽象的 | 一般的で当たり障りのない文章になる | 「いい感じの文章」を、「初心者向け・300文字以内・親しみやすい口調」に書き換える |
| 複数の依頼を1つに詰め込む | 一部の指示が無視されたり、全体の品質が落ちたりする | 構成作成、執筆、要約を別々の依頼に分けて順番に頼む |
| 材料を渡さずに事実を尋ねる | もっともらしい誤りが混ざる | 根拠の資料を貼り、資料にない内容は分からないと答えさせる |
| 出力をそのまま使う | 数字や固有名詞の誤りに気づけない | 数字・固有名詞・日付は一次資料と照らして確認する |
| 一度で完成させようとする | 期待とのずれを直せず、使えない出力で終わる | 下書きを出させてから、足りない要素を指示して直す |
機密情報や個人情報をプロンプトに入力するのは避けてください。
企業の内部データや顧客情報をAIに入力すると、情報漏洩のリスクに繋がる可能性があります。利用するサービスの規約とデータの取り扱い設定を、事前に確認してください。
指示が曖昧で抽象的すぎる
「いい感じの文章を書いて」といった抽象的なプロンプトは、失敗の典型例です。
AIにとって「いい感じ」の基準は分からないため、当たり障りのない一般的な文章になりやすくなります。
読み手、目的、トーンを言葉にして伝えることが、回答を絞り込む近道です。
一度に複数の複雑な指示を詰め込む
1つのプロンプトの中に、構成作成、執筆、要約、翻訳など複数の作業を詰め込むと、一部の指示が反映されにくくなります。
複雑な業務は小さな作業に分け、一つずつ順番に指示を出すと、各段階の出力を確認しながら進められます。
ブログ記事の作成を段階に分けて進める具体例は、ChatGPTでブログ記事を作る手順をまとめた記事で紹介しています。
プロンプトエンジニアリングを活かした副業・仕事への繋げ方
プロンプトエンジニアリングを仕事に繋げるとは、AIの出力を下書きとして活用し、事実確認と仕上げを自分の工程として担うことで、成果物の品質に責任を持つ働き方のことです。
プロンプトのスキルは、日々の業務効率化に使えるほか、記事の下書きや資料作成の補助などの仕事で活用できる場合があります。
ただし、収入や案件の獲得は個人の状況によって異なり、本記事では保証できません。

納品物としてAIの出力を使う場合は、事実確認と修正を自分の工程として持つことが前提になります。
依頼元の規約でAIの利用が認められているかも、事前に確認しておきましょう。
例えば、クラウドソーシングの記事作成のような仕事でも、AIの出力をそのまま納品するのではなく、依頼元の条件を確認したうえで、事実の裏付けと文章の修正を加えて仕上げる必要があります。
プロンプトは、その下書きを作る工程を整える道具です。
SNS運用代行を仕事にすることを考えている方は、SNS運用代行のロードマップもご覧ください。
プロンプトエンジニアリングは、用途を決めて試し、直しながら身につけていく技術です。
まずは基本の6要素を自分の作業に当てはめ、結果が期待と違った要素から直していくところから始めてみてください。
プロンプトエンジニアリングに関するよくある質問(FAQ)
プロンプトエンジニアリングの基礎について、よく寄せられる質問をまとめました。
これからAI活用を始める方は、疑問の解消に役立ててください。
- Q1. プロンプトエンジニアリングを学ぶのにプログラミング知識は必要ですか?
-
ChatGPTやClaudeなどの対話型のAIを使う範囲では、プログラミングの知識は必要ありません。
プロンプトは普段使っている日本語で書けるため、目的や条件を文章で説明できれば始められます。
AIをシステムに組み込む開発では、APIの設定などで別の知識が必要になります。
- Q2. ChatGPTとClaude、どちらでプロンプトを練習すべきですか?
-
どちらか一方が初心者に向いているとは言い切れません。
無料で使える範囲や機能は更新されるため、各サービスの公式ページで確認し、使いやすいほうで始めてください。
同じプロンプトを両方に入れて回答を比べると、書き方の違いによる影響が分かりやすくなります。
- Q3. AIが事実と異なる嘘(ハルシネーション)を出力した場合はどうすればいいですか?
-
プロンプトに「資料に書かれていないことは分からないと答えてください」と条件を追加し、根拠にしてほしい資料を貼り付けます。
それでも誤りが混ざる場合があるため、数字や固有名詞は公式ページなどの一次資料で確認してください。
- Q4. プロンプトエンジニアリングを身につけるのに、どのくらいの期間がかかりますか?
-
期間は用途や使う頻度によって変わるため、目安は示せません。
基本の6要素は1回の依頼でも試せるので、まず自分の作業を1つ選び、結果を見て直すところから始めてください。
- Q5. 英語でプロンプトを書いたほうが精度は上がりますか?
-
モデルや用途によって異なり、英語のほうが良いとは一律に言えません。
日本語で期待する結果が出ない場合に、同じ内容を英語でも書いて比べ、よい結果が出たほうを使います。
- Q6. プロンプトは毎回長く書く必要がありますか?
-
必要ありません。簡単な質問は短い指示で足ります。
回答が期待とずれたときに、役割・条件・出力形式のうち足りない要素を足していくと、必要な長さに落ち着きます。
プロンプトエンジニアリングは、AIを仕事や学習に使うときの基本の技術です。
本記事で紹介した基本の型を、まず1つの作業で試し、結果を見て直してみてください。
カスタム指示や用途別のプロンプトの設定例は、ChatGPTカスタム指示の設定例をまとめた記事でも紹介しています。
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