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インスタのリール台本は、AIに「たたき台」を作らせ、人が目的・事実・言い回しを決めて仕上げる流れにすると、短い時間で形になり、内容の品質も保てます。この記事では、AIでインスタのリール台本を作る手順として、目的の整理から、秒数ごとの構成、画面に出す字幕テキスト、音声で読み上げる原稿、投稿前の確認までを、6つのステップで順番に解説します。
リールは、短い動画を縦画面で次々に見てもらう形式です。1本の中で「最初の数秒で何を見せるか」「途中で何を省くか」「最後に何をしてもらうか」を決めておかないと、撮影を始めてから迷いやすくなります。撮影や編集の前に台本を整えておくと、やり直しが減り、同じ型で何本も作れるようになります。
ここで役に立つのが生成AIです。ただし、AIに丸ごと任せると、どこかで見たような一般論や、事実と合わない説明、実在しない数字が混ざることがあります。この記事では、AIに任せる範囲と人が決める範囲を分け、仮の例を使いながら、台本を完成させるまでの流れを示します。
なお、リールの仕様や画面の表示は、アプリの更新で変わることがあります。仕様に関わる部分は、Instagramの公式ページで確認できた内容だけを書き、確認できなかった点は「投稿画面で確かめる」としています。
リール台本とは?AIに任せる範囲と人が決める範囲
リール台本とは、短尺動画1本分の「映す内容・画面に出す文字・声で話す言葉・長さの配分」を、撮影前に1枚にまとめた設計図のことで、AIは構成案と言い換え案の作成役、人は目的と事実と最終表現の決定役に分けると使いやすくなります。
台本というと、セリフを全部書いた脚本を思い浮かべる人もいるかもしれません。リールの場合は、そこまで細かくなくても構いません。大事なのは、動画の時間軸に沿って「いま画面に何が映り、どんな文字が出て、何を話しているか」が一覧できることです。この一覧があれば、撮影者と編集者が別の人でも、同じ完成形を思い描けます。
AIが得意なのは、材料から複数の構成案を素早く並べること、長い文を短くすること、同じ内容を別の言い回しにすることです。一方で、事実の裏付け、自分のアカウントの方針に合うかどうかの判断、誰かを傷つけたり誤解させたりしないかの確認は、人が行います。この線引きを先に決めておくと、AIの出力をそのまま使ってしまう失敗を避けられます。
| 作業 | AIに任せやすいこと | 人が決めること |
|---|---|---|
| 目的の整理 | 目的の候補を複数並べる | 今回の1本で何をしてもらうかを1つ選ぶ |
| 構成づくり | 秒数ごとの配分案を出す | 自分の撮れる素材に合う配分へ直す |
| 字幕テキスト | 長い文を短く言い換える | 誤解を招く言い回しを外す |
| 音声原稿 | 話し言葉に整える | 自分の口調と事実に合うか読み上げて確かめる |
| 投稿前の点検 | 確認項目の抜けを指摘する | 公式の情報と照らして最終判断する |
この表の右端の列が、AIに渡してはいけない領域です。特に、数字・固有名詞・効果の言い切りは、AIが自然な文章の流れで作ってしまうことがあります。台本に入れる前に、人が一次情報で確かめる前提で進めます。
リールで公式に確認できること|長さ・文字・音声の機能
リールの仕様は、Instagram公式の機能紹介ページで確認でき、2026年10月8日に確認した時点では、複数のクリップをつないだ動画を作れること、文字や音声を加えられること、ギャラリーの動画を取り込めることが書かれています。動画の長さについては、同じページの紹介文の「3分まで」と、よくある質問の「20分まで」の記載が並んでいます。
Instagramの公式ページ「Instagram Reels: Create & Share Short Videos」の紹介文には、複数のクリップをつないだ動画を3分まで作成でき、文字、ARフィルター、音声を加えられると書かれています。一方、同じページのよくある質問には、1本または複数のクリップを合計20分まで録画できること、3分を超えるリールは新しい視聴者におすすめされないことも書かれています。同じページには、ギャラリーから動画をアップロードできること、タイマーを使って手を使わずに録画できること、動画や音声の速度を調整できることも書かれています。音声については、Instagramの音楽ライブラリ、自分で録音した音声、クリップに加えるボイスオーバーが挙げられています。
ここから台本づくりに使える点は3つあります。1つ目は、長さの案内が紹介文の3分とよくある質問の20分に分かれており、3分を超えると新しい視聴者におすすめされない旨も書かれていることです。作れる長さと、見てもらいやすい長さは別です。何秒が適切かは、公式ページからは判断できません。そのため、この記事では長さの目安を断定せず、自分のアカウントの過去の動画の視聴状況を見て決める手順にしています。
2つ目は、画面に文字を載せられることです。これは字幕テキストを台本の一部として設計する根拠になります。3つ目は、ボイスオーバーで声を後から重ねられることです。映像を先に撮り、話す内容を後から録るやり方も選べるため、音声原稿は映像と分けて書いておくと柔軟に使えます。
注意点として、機能の名称や画面の配置、上限の数字は、アプリや公式ページの更新で変わる可能性があります。投稿の直前には、お使いのアプリの編集画面で、いまの上限と使える機能を自分の目で確かめてください。公式のヘルプセンターのページが開けない場合でも、アプリの画面表示が最終的な確認先になります。
台本づくりの全体像|6つのステップで進める
台本づくりの全体像とは、目的を決める、AIに材料を渡す、秒数で骨組みを作る、字幕テキストを整える、音声原稿を整える、投稿前に点検する、という6つのステップを順番に進める流れのことです。
6つのステップは、前のステップの結果を次に引き継ぐ形になっています。目的が決まらないままAIに構成を頼むと、無難で似たような案ばかりが並びます。逆に、目的と材料が揃っていれば、AIの出力はそのまま叩き台として使えるものになりやすくなります。
| ステップ | やること | できあがるもの |
|---|---|---|
| 1 | 目的と視聴者の行動を1文で決める | 今回の1本の目的文 |
| 2 | AIに渡す材料を整えて構成案を出してもらう | 構成案の候補 |
| 3 | 秒数ごとの配分で骨組みを作る | 時間軸つきの台本表 |
| 4 | 画面に出す字幕テキストを短くする | カットごとの字幕一覧 |
| 5 | 音声で読み上げる原稿を話し言葉にする | 読み上げ用の原稿 |
| 6 | 事実・権利・表示ルールを点検する | 投稿前チェックの結果 |
この記事では、全体を通して同じ仮の例を使います。仮の例は、個人で収納の工夫を発信しているアカウントが、「引き出しの仕切りを見直す」という短いリールを作る場面です。実在のアカウントや人物ではなく、手順を説明するために作った例です。
ステップ1:目的と視聴者の行動を1文で決める
目的と視聴者の行動を1文で決めるとは、「誰が、この動画を見終えた後に、何をする状態になってほしいか」を、台本を書く前に1つだけ言葉にすることです。
リール1本で伝えられることは、多くありません。最後まで見てもらい、保存してもらい、プロフィールを見てもらい、コメントしてもらい、さらに別の投稿も見てもらう、と欲張ると、どの行動にもつながりにくくなります。そこで、1本につき視聴者にしてほしい行動を1つだけ選びます。
仮の例では、次のように書きます。「引き出しの整理に困っている人が、動画を見終えた後に、自分の引き出しの仕切りを見直したくなる」。この1文があると、後のステップで迷ったときの判断基準になります。たとえば、収納用品の細かい説明を入れるか迷ったとき、「仕切りを見直したくなるか」という基準で、入れる・入れないを決められます。
AIには、目的の候補を3つほど出してもらい、その中から人が選ぶと速く進みます。次のように頼みます。
私は収納の工夫を発信している個人アカウントの運営者です。引き出しの仕切りの見直しをテーマにしたリールを1本作ります。視聴者に最後にしてほしい行動の候補を3つ挙げてください。保存、プロフィールの閲覧、自分の引き出しを見直す、のように行動の種類を変えてください。
出てきた候補は、そのまま採用せず、自分のアカウントの方針と照らして選びます。投稿に対する反応を数字で追う場合の考え方は、AIでSNS運用の月次振り返りを作る手順で整理しています。目的を決めるときに、後で何を見て振り返るかも一緒に考えておくと、改善につなげやすくなります。
ステップ2:AIに渡す材料を整えて構成案を出してもらう
AIに渡す材料とは、動画のテーマ、見てほしい相手、使える素材、避けたい表現、希望する長さなど、AIが推測で埋めてしまいそうな部分を先に人が書き出した情報のことです。
材料が少ないと、AIは足りない部分を一般論で埋めます。反対に、材料が揃っていると、出力は自分のアカウントの内容に近づきます。渡す材料は、次の5つに絞ると整理しやすくなります。
- 目的文(ステップ1で決めた1文)
- 見てほしい相手の困りごと(1つか2つ)
- 撮影できる素材(部屋の様子、手元、完成後の様子など。撮れないものは書かない)
- 避けたい表現(断定的な言い切り、他者を下げる言い方、根拠のない数字)
- 希望する動画の長さ(秒数。公式の上限ではなく、自分が決めた長さ)
この5つを渡すと、AIは次のような構成案の候補を出します。ここで大事なのは、案を1つだけ出させないことです。3案ほど出してもらうと、案同士の違いが見え、自分の素材に合う順番が選びやすくなります。
以下の材料でリールの構成案を3つ出してください。それぞれ、最初の数秒の見せ方、中盤の流れ、最後の締め方を分けて書いてください。事実として確認できない数字や効果の断定は入れないでください。【目的】引き出しの整理に困っている人が、自分の引き出しの仕切りを見直したくなる。【撮れる素材】引き出しの中の様子、仕切りを入れる手元、整えた後の様子。【避けたい表現】必ず片付く、誰でもできる、といった言い切り。【長さ】30秒前後。
出てきた案は、そのまま台本にはしません。自分が実際に撮れる素材と照らして、撮れない場面を外し、順番を入れ替えます。AIが出した案に「ビフォーアフターの比較映像」が含まれていても、撮れる素材がなければ使いません。台本は、撮影できることだけで組み立てます。
キャプションやハッシュタグも同じ材料から作ると、動画と文章の内容がそろいます。キャプションの確認手順はInstagramキャプションをAIで作成する際のチェック手順に、ハッシュタグの選び方はAIでインスタのハッシュタグ候補を整理する手順にまとめています。台本ができた後に、これらの記事の手順で文章面を整えると、投稿全体が一貫します。
ステップ3:秒数ごとの配分で台本の骨組みを作る
秒数ごとの配分とは、動画の長さを「冒頭・展開・締め」などの区間に分け、各区間で映す内容と伝える内容を割り当てる作業のことです。
骨組みの段階では、言葉を細かく書き込みません。まず、全体の長さを決め、それを区間に割ります。区間の数は、3つから5つ程度に収めると管理しやすくなります。区間が多すぎると、1つあたりが数秒しかなくなり、字幕を読む時間もなくなります。
仮の例として、全体を30秒前後で作る場合の配分を、次の表にまとめます。これは台本の考え方を示すための仮の配分で、効果が出る秒数を示すものではありません。
| 区間 | 秒数の配分(仮の例) | 映すもの | 伝えること |
|---|---|---|---|
| 冒頭 | 0〜4秒 | 仕切りのない引き出しの中 | こんな状態になっていませんか、という問いかけ |
| 展開1 | 4〜12秒 | 仕切りを入れる手元 | まず入れる物を種類で分ける |
| 展開2 | 12〜22秒 | 仕切りの幅を調整する様子 | よく使う物を手前に置く |
| 締め | 22〜30秒 | 整えた後の引き出し | 自分の引き出しも見直してみる、という呼びかけ |
この表を作るとき、AIには「4つの区間に分けた時間配分の案を出してください。全体は30秒前後で、冒頭は問いかけから始めてください」と頼みます。出てきた配分は、あくまで案です。実際に撮影した素材の長さが配分と合わなければ、素材に合わせて区間の秒数を調整します。
骨組みで確認したいのは、冒頭の4秒で、動画の中身が伝わるかどうかです。視聴者は、最初の画面を見て、続きを見るかどうかを短い間に決めます。冒頭に前置きの挨拶を入れると、その分だけ本題が遅れます。挨拶は後ろへ回すか、削るかを検討してください。投稿のテーマの並べ方や配分は、AIでSNS投稿の週間カレンダーを作る手順で扱っています。リールを週のどこに置くかも、あわせて考えておくと計画が立てやすくなります。
複数の画像をスワイプで見せる投稿との違いも、押さえておくと迷いません。スワイプ型の投稿は、1枚ごとの完結した情報を順に読んでもらう形式です。構成の考え方はAIでインスタのカルーセル構成を作る手順で解説しています。リールは時間軸で進む分、「いつ何を見せるか」の設計が中心になります。
ステップ4:画面に出す字幕テキストを短くする
字幕テキストとは、動画の画面に文字として載せる短い言葉のことで、音声を出さずに見る人にも内容が伝わるように、音声原稿とは別に1カットずつ短く設計します。
字幕テキストは、音声で話す内容をそのまま文字にしたものではありません。話し言葉は長くなりがちで、全部を画面に出すと、読み終わる前に次の場面へ切り替わってしまいます。字幕は、そのカットで一番大事な一言だけを残すのが基本です。
字幕を短くするときの考え方は、3つあります。1つ目は、1カットに載せる文字を1行か2行に収めることです。2つ目は、主語と述語がそろった短い文にして、体言止めや省略を使いすぎないことです。3つ目は、画面の端や下部にアプリの表示が重なる場合があるため、文字を中央寄りに置くことです。重なり具合はアプリの画面で変わるので、編集画面のプレビューで確かめます。
AIには、音声原稿を渡して、字幕用の短い版を作ってもらいます。たとえば、次のように頼みます。
次の音声原稿を、画面に出す字幕に直してください。1カットにつき1行、全角で15字前後に収めてください。数字や固有名詞は、元の原稿にあるものだけを使ってください。意味が変わる省略はしないでください。
出てきた字幕は、元の音声原稿と見比べます。省略した結果、意味が変わっていたり、断定的な表現に変わっていたりしないかを確認します。たとえば、「仕切りを見直すと探す時間が減ることがあります」という原稿が、字幕で「探す時間が減る」と短縮されると、「ことがあります」という留保が消えます。短くする際に、断定に変わっていないかを見ます。
画像の内容を言葉で説明する補助テキストについては、Geminiで画像の代替テキストを作る手順で扱っています。動画の字幕とは別の機能ですが、見る人の状況に合わせて情報を届けるという考え方は共通しています。
ステップ5:音声で読み上げる原稿を話し言葉にする
音声で読み上げる原稿とは、動画の中で声として話す言葉を、書き言葉ではなく話し言葉に整えて用意した文章のことです。
文章として自然な表現と、声に出して自然な表現は違います。書き言葉では問題のない長い一文も、声に出すと息が続かず、聞き取りにくくなります。音声原稿は、1文を短く区切り、読点で息継ぎの位置を示すと、読みやすくなります。
先に挙げたInstagram公式の機能紹介ページ(Instagram Reels: Create & Share Short Videos)には、クリップにボイスオーバーを加えられると書かれています。そのため、映像を先に撮影し、声は後から重ねる進め方もできます。この場合は、映像の秒数に合わせて、音声原稿の長さを調整する作業が必要になります。
音声原稿を整えるときは、次の順番で進めると手戻りが少なくなります。
- ステップ3の骨組みから、区間ごとに伝えることを1文ずつ書き出す
- AIに、話し言葉に直した案を2パターンほど出してもらう
- 自分で声に出して読み、言いにくい箇所を直す
- 区間ごとの秒数に収まるかを、読む速さで確かめる
3番目の「声に出して読む」作業は、AIには代われません。画面を見ているだけでは気づかない、言いにくさや不自然さは、実際に声にして初めてわかります。1本につき1回でも読み上げて確認する習慣をつけると、撮影の段階でのやり直しが減ります。
AIが整えた口調が、普段の自分の話し方とかけ離れている場合もあります。そのときは、プロフィールやこれまでの投稿の文体を材料としてAIに渡し、「この文体に合わせて」と頼むと近づきます。プロフィール文の整え方はAIでインスタのプロフィール文を作る手順で扱っているので、アカウント全体の語り口をそろえる際に参考になります。
仮の例で見る|完成したリール台本はこうなる
完成したリール台本とは、時間軸に沿って、映す内容・字幕テキスト・音声原稿を1行ずつ対応させた一覧表のことで、撮影者が迷わず動ける状態になっています。
ここまでのステップを組み合わせると、次のような台本になります。以下は、収納の工夫を発信する個人アカウントを想定した仮の例です。数字や効果を示すものではなく、台本の形を示すためのものです。
| 秒数 | 映すもの | 字幕テキスト | 音声原稿 |
|---|---|---|---|
| 0〜4秒 | 仕切りのない引き出しの中 | 引き出し、ごちゃついていませんか | 引き出しの中、ごちゃごちゃしていませんか。 |
| 4〜12秒 | 仕切りを入れる手元 | まず、種類で分ける | 最初にやるのは、入っている物を種類で分けることです。 |
| 12〜22秒 | 仕切りの幅を調整する様子 | よく使う物は手前に | よく使う物は手前に置くと、取り出しやすくなることがあります。 |
| 22〜30秒 | 整えた後の引き出し | あなたの引き出しも見直してみて | ご自身の引き出しも、一度見直してみてください。 |
この台本には、3つの工夫があります。1つ目は、冒頭が問いかけから始まり、前置きを置いていないことです。2つ目は、字幕と音声原稿が同じ内容でも、字幕のほうが短く、音声原稿のほうが話し言葉になっていることです。3つ目は、「取り出しやすくなることがあります」のように、効果を言い切らない表現にしていることです。
台本の最後の行は、ステップ1で決めた「自分の引き出しの仕切りを見直したくなる」という目的に対応しています。目的と台本の最終行が対応していれば、動画全体が一つの方向に向かって進んでいます。逆に、最終行が目的と関係のない呼びかけになっていたら、構成を見直す合図です。
台本ができたら、撮影前に一度、声に出して通し読みをします。音声原稿を区間ごとの秒数に収められるか、字幕を読む余裕があるかを確認すると、撮影後の編集で慌てずに済みます。AIで作った他の投稿文も、同じ観点で点検できます。コメントへの返信文はAIでインスタのコメント返信文を作る手順に、トーンをそろえる方法をまとめています。
ステップ6:事実・権利・表示ルールを点検する
事実・権利・表示ルールの点検とは、AIが作った台本に、裏付けのない情報、他人の権利を侵す内容、AIで作ったことの表示が必要な場面が含まれていないかを、投稿前に人が確かめる作業のことです。
AIの出力には、実在しない数字や、もっともらしい説明が混ざることがあります。台本に入れた数字、固有名詞、効果の説明は、AIが言ったことを根拠にせず、公式や一次情報で確かめます。確認の考え方はAIハルシネーション対策|仕事で使う前のファクトチェック7手順が参考になります。確かめられない内容は、台本から外すか、断定をやめて表現を弱めます。
権利の面では、使う音源、映像素材、他人の顔や持ち物が映り込んでいないかを確認します。AIが作った文章や画像を商用で使う際の考え方は、生成AIと著作権|業務利用前に確認すべきポイントで整理しています。台本そのものはあなたの文章ですが、そこに引用や他の作品に似た表現が混ざっていないかは、人が読んで確かめる必要があります。
AIを使ったことの表示については、Metaの公式発表「Our Approach to Labeling AI-Generated Content and Manipulated Media」に、Instagram、Facebook、Threadsで、業界標準のAI画像の指標を検知した場合や、投稿者がAI生成物のアップロードを自己申告した場合に、「AI info」ラベルを付ける旨が書かれています。この文書は、画像・動画・音声など、AIで生成されたコンテンツを対象にした説明です。台本の文章づくりにAIを使っただけの場合が表示の対象になるかどうかは、この文書からは読み取れません。AIで生成した映像や音声を動画に入れる場合は、アプリの投稿画面にある表示の設定を確認してください。
3つのSNSの表示ルールの違いは、Instagram・YouTube・TikTokのAI生成コンテンツ表示ルールで比較しています。また、商品を紹介する動画で広告であることを示す必要があるかどうかは、AI×SNS運用のステマ規制対応が扱っています。台本に商品紹介を入れる場合は、先にこちらを確認してください。
もうひとつ、AIに入力する情報にも注意します。顧客の個人情報や、社内の未公開情報を、台本づくりの材料としてAIに渡さないことです。入力してよい情報の線引きは、生成AIの情報漏えい対策|入力NG情報とオプトアウト設定で整理しています。事例を台本にしたい場合は、特定できる情報を外した「仮の例」として書き直す方法があります。
投稿前チェック表|公開ボタンを押す前に見る8項目
投稿前チェック表とは、台本から撮影・編集を経て完成した動画を公開する前に、8つの観点で最終確認を行うための一覧のことです。
台本が良くても、完成した動画が台本どおりになっているとは限りません。編集で字幕の位置がずれたり、音声と字幕で数字が食い違ったりすることがあります。公開ボタンを押す前に、次の8項目を順に見ていきます。
| No. | 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 1 | 目的との対応 | 最後の場面が、ステップ1の目的文に対応しているか |
| 2 | 冒頭の見せ方 | 最初の数秒で、動画の中身が伝わるか |
| 3 | 字幕の読みやすさ | 1カットの文字量が多すぎず、画面の端で隠れていないか |
| 4 | 字幕と音声の一致 | 数字や固有名詞が、字幕と音声で同じか |
| 5 | 断定表現 | 効果や結果を言い切っていないか |
| 6 | 事実の裏付け | 数字や説明を、公式や一次情報で確かめたか |
| 7 | 権利と映り込み | 音源、素材、他人の顔や持ち物に問題がないか |
| 8 | AI利用の表示 | AIで生成した映像や音声がある場合、表示の設定を確認したか |
この8項目のうち、特に手戻りが大きいのは4番と5番です。字幕と音声で数字が食い違っていると、撮り直しや録り直しが必要になります。断定表現は、編集の段階で気づきにくいため、台本の段階と完成後の二度、確認することをおすすめします。
確認の結果、直す箇所が見つかったら、AIに「この字幕を断定を避けた表現に直してください」と頼むのも一つの方法です。ただし、直した後の文は、もう一度人が読んで確かめます。AIの修正が、別の箇所で断定を生むこともあるためです。
チェックは、毎回同じ表で行うと、見落としが減ります。表を自分のメモやノートにそのまま写しておき、投稿のたびに使い回すと、確認の手間が小さくなります。慣れてくると、確認の項目は少しずつ自分のアカウントに合わせて増やせます。たとえば、商品を紹介する動画が多いアカウントなら、広告表示の確認を独立した項目にするとよいでしょう。
よくある失敗と直し方
よくある失敗とは、AIで台本を作るときに起こりやすい、構成の欲張り・字幕の詰め込み・音声原稿の書き言葉化・点検の省略といった型のことで、それぞれに直し方があります。
| 失敗 | 起こりやすい原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 1本に情報を詰め込みすぎる | 目的を決めずにAIへ構成を頼んでいる | 目的を1文に絞り、関係の薄い場面を外す |
| 字幕が長くて読み切れない | 音声原稿をそのまま字幕にしている | 1カットの文字を1行か2行にし、要点だけ残す |
| 声に出すと言いにくい | 書き言葉のまま読み上げ原稿にしている | 1文を短く区切り、声に出して直す |
| 撮れない場面が台本に入っている | AIの案をそのまま採用している | 撮れる素材を先に書き、AIにその範囲で案を出させる |
| 言い切りの表現が残る | 点検を台本の段階で終えている | 完成した動画でも、断定表現を再確認する |
これらの失敗は、AIの性能よりも、AIに渡す材料と人の確認の順番に原因があることがほとんどです。材料が揃っていて、確認の観点が決まっていれば、AIの出力は十分に使える水準になります。逆に、どれだけ高性能なAIを使っても、材料が曖昧なら、似たような台本ばかりが出てきます。
また、一度うまくいった台本の型は、保存しておくと次回に使えます。目的文、AIに渡した材料、採用した構成の秒数配分を、1本ごとに記録しておくと、改善点が見えやすくなります。反応が良かった動画の型を残し、そうでなかった動画との違いを比べると、次の台本で試す点が決まります。投稿後の数字の整理は、月次の振り返りの手順と組み合わせると進めやすくなります。
DMでの問い合わせ対応まで含めて運用を整えたい場合は、AIでインスタのDM返信文を作る手順もあわせて読むと、投稿から問い合わせへの流れを一続きで設計できます。
よくある質問(FAQ)
- Q1. リール台本は、どのAIで作ればよいですか。
- この記事の手順は、文章を生成できるAIであれば、どれでも使えます。大事なのは、AIの種類よりも、目的文や撮れる素材といった材料を先に整えることです。特定のサービスの機能や料金は、各サービスの公式ページで確かめてください。
- Q2. 台本は、セリフを全部書く必要がありますか。
- 全部を書く必要はありません。まず、時間の配分と、各区間で伝える要点を決め、その後に字幕と音声原稿を足していく進め方で十分です。話し慣れている場合は、音声原稿を箇条書きの要点だけにして、本番は自分の言葉で話す選び方もあります。
- Q3. リールは何秒くらいで作ればよいですか。
- Instagram公式の機能紹介ページでは、作れる長さの案内が紹介文とよくある質問で分かれています(数字は本文の「リールで公式に確認できること」で整理しています)。一方で、何秒が見てもらいやすいかは、公式ページからは判断できません。自分のアカウントの過去の動画で、どこまで見られているかを確かめ、長さを決める方法をおすすめします。
- Q4. 字幕は、音声と同じ文章にしてよいですか。
- 同じ内容であっても、字幕は短くするほうが読みやすくなります。音声は話し言葉で流れていくため、そのまま文字にすると長くなり、読み切る前に場面が切り替わります。字幕は要点だけに絞り、音声原稿で補う使い分けが基本です。
- Q5. AIで台本を作ったことは、投稿のときに表示する必要がありますか。
- Metaの公式発表は、AIで生成された画像・動画・音声に対するラベルについて説明しています。文章づくりにAIを使っただけの場合の扱いは、この文書からは読み取れません。AIで生成した映像や音声を入れる場合は、投稿画面の表示の設定を確認し、迷うときはその設定に従って表示してください。
- Q6. 台本に商品の紹介を入れてもよいですか。
- 入れること自体は可能です。ただし、広告やタイアップに当たる場合は、その旨を視聴者に示す必要があるかどうかを確認します。判断に迷うときは、ステマ規制の考え方をまとめた記事を先に読み、表示の方法を決めてから台本に反映してください。
まとめ
AIでインスタのリール台本を作る手順は、目的を1文で決める、材料を渡して構成案を出してもらう、秒数ごとの骨組みを作る、字幕テキストを短くする、音声原稿を話し言葉にする、投稿前に点検する、の6つです。AIに任せるのは、案を並べることと言い換えで、目的の決定、事実の確認、最終的な言い回しの判断は人が担います。
リールの長さや機能は、Instagram公式の機能紹介ページで確認でき、2026年10月8日時点では、長さの案内が3分(紹介文)と20分(よくある質問)に分かれていること、文字・音声の追加機能が案内されていました。ただし、何秒が適切かは公式ページからは判断できないため、自分のアカウントの過去の動画を見て決める方法を取りました。仕様は変わることがあるので、投稿の直前にアプリの画面で確かめてください。
まずは、1本分の目的文を書き、AIに構成案を3つ出してもらうところから始めてみてください。台本の型ができれば、2本目からは作業が速くなります。投稿全体の計画づくりには、AIでSNS投稿の週間カレンダーを作る手順も役立ちます。
