Instagramの投稿を作るたびに、ハッシュタグ選びで手が止まる運用担当者は少なくありません。似たタグを毎回ゼロから探したり、過去の投稿からコピーしたまま内容に合わないタグが残ったりすると、時間も増え、投稿の主題とずれたタグが混ざりやすくなります。結論から言うと、ハッシュタグ候補をAIで整理するときは、生成AIにタグを決めさせるのではなく、候補を出して分類させる役割を任せ、残すかどうかは投稿者が決める分担にすると、作業が整理しやすくなります。この記事では、Instagramの公式ヘルプで確認できるハッシュタグの仕様、AIへの渡し方、コピペして使える指示文、候補を絞る基準、投稿前の確認、チームでの管理方法までを順に整理します。特定の効果を約束するものではなく、判断の手順を整える内容です。
Instagramのハッシュタグの基本仕様|付け方・個数の上限・公開範囲
Instagramのハッシュタグとは、キャプションやコメントに「#」と文字列を続けて書くことで、同じ話題の投稿をまとめて見つけられるようにする機能であり、付け方と上限、公開範囲に決まりがある。
AIにタグ候補を作らせる前に、まずInstagram側の決まりを押さえておきます。Instagramヘルプセンターの「Instagramでハッシュタグを使用する」には、投稿のキャプションやコメントにハッシュタグを追加できると書かれています。また、公開アカウントで投稿にハッシュタグを付けると、投稿は対応するハッシュタグページに表示されると案内されています。詳細はInstagramヘルプセンターのハッシュタグ使用に関するページで確認できます。
同じページの注意点には、運用に直結する決まりが並んでいます。プロフィールを非公開にしている利用者が投稿にタグ付けしても、投稿はハッシュタグページに公開されません。ハッシュタグには数字を使えますが、スペースや$、%などの特殊文字は使えません。タグを付けられるのは自分の投稿だけです。個数については、1つの投稿に使用できるタグは最大5個と案内されています。以前は上限が異なる情報が広まっていた時期もあるため、古い解説記事や過去のテンプレートをそのまま使わず、公式ヘルプの現在の記載を基準にしてください。ヘルプの内容は更新されることがあるので、運用の見直しの際は、手元で表示される最新のページも確認してください。
この仕様から、AIに依頼するときの前提が決まります。候補は多めに出させても、実際に投稿へ付けるのは上限の範囲に収まる少数に絞る必要があります。数字は使えても、スペースや記号は使えないため、AIが出力した「#春 新作」のような区切りのある候補は、そのままでは使えません。この2点は、次の章以降で扱う指示文と確認項目に反映します。
ハッシュタグを整理する目的|検索で見つけてもらう導線を整える
ハッシュタグを整理する目的とは、投稿の主題に合うタグだけを残し、見つけてほしい読者が検索や関連ページから投稿にたどり着く導線を、運用の中で再現できる形に整えることである。
Instagramの公式ブログ「Breaking Down How Instagram Search Works」では、検索で見つけてもらうための要点が説明されています。同記事には「For a post to be found in Search, put keywords and hashtags in the caption, not the comments.」と書かれており、検索に表示されたい投稿では、キーワードやハッシュタグをコメントではなくキャプションに入れるよう案内されています。さらに、検索窓に入力されたテキストが検索で最も重要な手がかりであることや、プロフィールの自己紹介文にもキーワードを入れることが述べられています(Instagram公式ブログの検索の仕組みに関する記事)。
つまり、ハッシュタグは単独で働くものではなく、キャプション内のキーワードやプロフィールの文言と合わせて、投稿の主題を検索に伝える材料の1つです。投稿の主題と関係の薄いタグを並べても、見つけてほしい読者の役には立ちません。タグを整理する作業とは、「この投稿は誰の、どんな疑問に答えるものか」を言葉にし、その言葉に近い表現だけを残す作業だと言い換えられます。
ここで言う効果は、運用の質を整える観点の話です。タグを整理したからといって、閲覧数やフォロワー数が増えると約束するものではありません。Instagramの表示は、投稿の内容や投稿された時期、他の利用者の反応など、多くの要素に左右されます。この記事では、効果の予測ではなく、毎回同じ基準で候補を出し、確認し、記録するという再現性を目的に置きます。
AIに任せる範囲と人が決める範囲、手順の全体像を先に分ける
AIに任せる範囲と人が決める範囲を分けるとは、候補の洗い出しや分類のような下書き作業をAIに渡し、残すタグの最終判断や公開可否の判断は投稿者が担う役割分担を、作業の前に決めておくことである。
生成AIは、与えられた情報から関連しそうな言葉を幅広く挙げたり、候補を種類ごとに並べ替えたりする作業に向いています。一方で、そのタグがInstagram上で現在どのように使われているか、検索できる状態かどうか、投稿の内容と実際に合っているかは、AIの出力だけでは確かめられません。AIの出力が事実と合っているかを確かめる考え方は、AIの出力を仕事で使う前に確認する手順でも整理しています。ハッシュタグの場合も同じで、AIが「よく使われています」と述べた内容は、そのまま事実として扱わず、投稿者がアプリの画面で確かめます。
役割分担の目安を、次の表にまとめます。表の「人が決めること」は、AIの出力を見たうえで投稿者が判断する項目です。
| 作業 | AIに任せやすいこと | 人が決めること |
|---|---|---|
| 投稿の主題の整理 | 投稿内容の文章から、主題と想定読者を短く言い換える | 主題がアカウントの方針と合っているか |
| 候補の洗い出し | 主題に近い言葉、読者が検索しそうな言い回しを広めに挙げる | 投稿の内容と実際に合う言葉かどうか |
| 候補の分類 | 範囲の広い言葉、絞った言葉、固有の言葉などに並べ替える | 分類の名前が運用の基準と合っているか |
| 使えない形の除去 | スペースや記号を含む候補を見つけて直す | 直した結果が意味を保っているか |
| 最終の選定 | 理由つきで案を示す | 実際に付ける少数のタグと、付けない判断 |
| 投稿前の確認 | 確認項目の抜けを一覧にする | アプリ上の表示、規約、表示ルールの確認 |
この表のとおり、最後の判断はすべて人の側に置きます。AIは「案を出す」「並べる」「抜けを指摘する」までを担当し、「付ける」「付けない」を決めない、と決めておくと、運用が属人化しにくくなります。
この記事では、作業を4つの段階に分けて進めます。段階を分けると、AIに渡す情報と、AIから受け取るもの、人が確認する点が段階ごとに明確になります。また、うまくいかなかったときに、どの段階を見直せばよいかが分かります。
| 段階 | やること | AIに渡すもの | 受け取る成果物 |
|---|---|---|---|
| 段階1 | 投稿の主題と想定読者を言葉にする | 投稿の下書き、アカウントの紹介文 | 主題の短い説明、読者が持つ疑問 |
| 段階2 | タグの候補を広めに出して分類する | 段階1の成果物、守る決まり | 分類つきの候補一覧 |
| 段階3 | 投稿に付ける少数に絞る | 候補一覧、選定の基準 | 理由つきの選定案 |
| 段階4 | アプリで確認し、記録を残す | 選定案、確認項目の一覧 | 確定したタグ、確認の記録 |
段階1と段階2は、AIとのやり取りが中心です。段階3は、AIの案を見ながら人が選びます。段階4は、AIではなくInstagramのアプリ上で行う作業です。次の章から、各段階を順に説明します。
段階1|投稿の主題と想定読者を、AIに渡せる形で言葉にする
段階1の主題の言語化とは、投稿が何について、誰のどんな疑問に答えるものかを数行の文章にまとめ、AIがタグ候補を考えるときの土台にする作業である。
候補の質は、最初に渡す情報の質で決まります。「春の新作です」だけを渡すと、AIは一般的な季節の言葉ばかりを返しがちです。そこで、次の4点を文章にしてからAIに渡します。1点目は投稿の主題で、何を紹介または説明する投稿かを書きます。2点目は想定する読者で、どんな状況の人かを書きます。3点目は読者が持っていそうな疑問や探し方で、検索窓に入れそうな言い回しを書きます。4点目は、投稿で扱わない範囲です。扱わない範囲を書いておくと、無関係な候補が減ります。
投稿の下書きがすでにある場合は、キャプションの本文をそのまま渡して、AIに主題と想定読者を要約させる方法もあります。ただし、AIの要約が実際の意図と合っているかは、投稿者が読んで確かめてください。要約の段階でずれていると、その後の候補すべてがずれます。キャプション自体をAIで下書きする場合の確認の流れは、AIで作ったキャプションを投稿前に点検する手順にまとめています。キャプションの内容を先に固めてから、タグの整理に進むと手戻りが少なくなります。
アカウント全体の方針も、毎回の入力に含めると安定します。たとえば、アカウントの紹介文、主な読者、扱うテーマの一覧、避けたい表現の一覧を、1つの文章にして保存しておきます。毎回それをAIに貼り付けるだけで、アカウントの方針に沿った候補が出やすくなります。ただし、顧客の氏名や社内の未公開情報などは、この文章に含めません。入力してよい情報の範囲は、後の章でまとめます。
段階2|候補を出させて分類する指示文のテンプレート
段階2の候補生成と分類とは、段階1の成果物と守る決まりを指示文に入れて、AIにタグ候補を広めに出させ、範囲の広さや役割ごとに並べ替えさせる作業である。
指示文は、役割、渡す情報、出力の形、守る決まりの4つを分けて書くと、意図がぶれにくくなります。次の文章は、そのまま貼り付けて使える形にした例です。角かっこの部分は、自分の投稿の内容に置き換えてください。
あなたはInstagramのコンテンツ運用の補助役です。次の投稿について、ハッシュタグの候補を出し、分類してください。
【投稿の主題】[ここに主題を書く]
【想定する読者】[ここに読者を書く]
【読者が探しそうな言い回し】[ここに書く]
【扱わない範囲】[ここに書く]
【守る決まり】候補にスペースや記号($、%など)を含めない。数字は使ってよい。投稿の主題と直接関係しない言葉は出さない。他社や他の個人の名前を含む候補は出さない。実在するかどうか、よく使われているかどうかを、確かめられない限り断定しない。
【出力の形】候補を、範囲の広い言葉、読者の疑問に近い言葉、投稿固有の言葉、アカウント固有の言葉の4つの分類で表にする。各候補に、投稿の主題との関係を短い一文で添える。
この指示文のポイントは、「よく使われているかどうかを断定しない」という条件です。AIは、使われ方の実態について、もっともらしい説明をつけることがあります。その説明を根拠にタグを選ぶと、確かめていない前提で判断することになります。実際の使われ方は、段階4でInstagramのアプリを開いて確かめます。
出力は、表形式で受け取ると、次の段階で選びやすくなります。AIが長い説明文で返してきた場合は、「候補、分類、主題との関係の3列の表で出し直してください」と追加で依頼します。一度に大量の候補を求めすぎず、各分類に数件ずつの候補を出させるくらいに留めると、確認する量が現実的な範囲に収まります。
仮の例|ハンドメイド雑貨の新作投稿でタグ候補を整理する流れ
仮の例とは、ここで示す完成例が実在のアカウントや実際の投稿ではなく、手順を理解してもらうために作った架空の想定であることを示す表記である。
ここからは仮の例です。ハンドメイド雑貨を販売する小規模なアカウントが、新作のポーチを紹介する投稿のタグを整理する場面を想定します。実在のアカウントや実際の数値とは関係がありません。
段階1で作る主題の文章は、次のようなものです。主題は、新作のポーチの素材と使い道を紹介する投稿。想定読者は、普段使いの小物を探している人。読者が探しそうな言い回しは、ポーチ、ハンドメイド、普段使いなど。扱わない範囲は、他店との比較と価格の値引き。
段階2でAIから返ってきた候補を、表に整理すると次のようになります。
| 分類 | 候補(仮の例) | 主題との関係 |
|---|---|---|
| 範囲の広い言葉 | ハンドメイド | 制作物の種類を示す広い言葉 |
| 読者の疑問に近い言葉 | ポーチ、普段使いの小物 | 探している人が入力しそうな言い回し |
| 投稿固有の言葉 | 新作ポーチ、帆布のポーチ | 今回の投稿の素材と種類に直接関係する |
| アカウント固有の言葉 | (アカウント名に由来する独自のタグ) | 投稿をまとめて見返すための目印 |
この中から、投稿に付けるのは少数だけです。公式ヘルプ(Instagramヘルプセンターのハッシュタグ使用に関するページ)の上限が最大5個であることを踏まえ、仮の例では「範囲の広い言葉」から1つ、「読者の疑問に近い言葉」から1つ、「投稿固有の言葉」から2つ、「アカウント固有の言葉」から1つ、という配分を最初の案とします。この配分は、あくまで考え方を示すための仮の例であり、最適な配分を示すものではありません。
なお、AIの返答には「帆布」のような素材名が含まれることがあります。投稿の写真やキャプションに実際に出てくる素材でなければ、タグに入れません。AIは、投稿に載っていない情報を補って候補を出すことがあるためです。この確認が、人が決める最終判断の具体例です。
段階3|候補を少数に絞る基準と、削る判断の仕方
段階3の絞り込みとは、AIが出した分類つきの候補から、投稿の主題との近さ、読者の探し方との近さ、運用での再利用のしやすさを基準にして、実際に付ける少数を選ぶ作業である。
絞り込みの基準は、先に言葉にして固定しておきます。そうしないと、その日の気分で選ぶことになり、担当者によって結果が変わります。次の表は、基準を一覧にしたものです。
| 基準 | 確認する問い | 削る目安 |
|---|---|---|
| 主題との近さ | 投稿の写真と文章に、このタグが指す内容が実際に出ているか | 出ていなければ削る |
| 読者の探し方との近さ | 想定読者が検索窓に入れそうな言い回しか | 書き手の都合だけの言葉は削る |
| 範囲のバランス | 広い言葉ばかり、または固有の言葉ばかりに偏っていないか | 偏りが大きければ別の分類から補う |
| 表記の重複 | 同じ意味の表記ゆれを重ねて付けていないか | 1つに絞る |
| 運用での再利用 | 次の同種の投稿でも使えるか、記録に残せるか | 一度きりの言葉は、必要なときだけ使う |
AIには、この表の基準を渡して、候補ごとに「残す」「削る」の理由つきの案を出させることができます。ただし、案の理由が正しいかどうかは、投稿者が投稿の中身と照らして確かめます。たとえば、AIが「検索されやすい」と理由を書いた場合、その根拠は示されていないことが多いため、この理由は採用の根拠にしません。採用の根拠にしてよいのは、投稿に実際に出ている内容と、読者の探し方に近いかどうかという、人が確認できる点です。
複数の投稿を並べて運用している場合は、タグの組み合わせが毎回同じにならないかも確認します。投稿の内容が違うのに、同じタグの並びをコピーして貼り付けていると、主題とのずれが生まれやすくなります。複数の投稿の構成を整える方法は、AIでカルーセル投稿の構成を組み立てる流れでも扱っています。投稿ごとの主題を先に整理しておくと、タグの選定も進めやすくなります。
段階4|投稿前にアプリで確認する項目と、確認の記録の残し方
段階4の投稿前確認とは、AIが出した選定案をそのまま使わず、Instagramのアプリ上でタグの表示や検索の状態を確かめ、規約や表示ルールに照らして問題がないことを確認してから確定する作業である。
確認は、AIの出力の外側で行います。次の項目を順に見ていきます。
- タグの文字列にスペースや特殊文字が含まれていないか。含まれている場合は、公式ヘルプのとおり使えないため直します。
- 付けるタグの数が、公式ヘルプに書かれた上限の範囲に収まっているか。
- アカウントが公開か非公開か。非公開の場合、ヘルプでは投稿がハッシュタグページに公開されないと説明されているため、運用上の目的と合っているかを確認します。
- タグを検索窓に入力したとき、タグのページが表示されるか。表示されない場合は、次の章の確認に進みます。
- タグのページに並ぶ投稿の内容が、自分の投稿の主題と近いか。主題と違う文脈で使われているタグは、読者に誤解を与えることがあります。
- キャプションの中にキーワードとタグが入っているか。公式ブログでは、検索で見つけてもらうにはコメントではなくキャプションに入れるよう案内されています。
- 投稿に広告表示やAI生成物の表示が必要な内容が含まれていないか。必要な場合は、タグとは別の工程で扱います。
確認が済んだら、結果を記録に残します。記録する内容は、投稿の日付、投稿の主題、確定したタグ、AIの案から削ったタグとその理由、確認した担当者の名前です。記録があると、後から投稿を見直すときに、どのタグをどんな判断で付けたのかが分かります。月ごとの運用の振り返りに記録を使う方法は、月ごとの運用の振り返りをAIで整理する手順で説明しています。
検索できないタグや規約に抵触するタグを避けるための確認
検索できないタグを避ける確認とは、Instagramの利用規約やコミュニティ規定への違反が続いたタグは検索できなくなることがあるという公式ヘルプの説明を踏まえ、AIが出した候補を使う前にアプリ上で表示状態を確かめる作業である。
Instagramヘルプセンターの「Instagramで特定のハッシュタグを検索できない理由」には、タグに関連するテキストやコンテンツが利用規約やコミュニティ規定に違反した状態が続いている場合、そのタグは検索できないことがあると書かれています。また、関連するコンテンツやタグのテキストが変化すると、再び検索できるようになることもあると説明されています(Instagramヘルプセンターの検索できないタグに関するページ)。
AIは、特定のタグが現在検索できる状態かどうかを知りません。AIの学習内容や過去の一般的な情報をもとに、候補を出すだけです。そのため、AIが出した候補に、検索できないタグが混ざる可能性があります。検索できないタグを付けても、そのタグのページに投稿が表示されない可能性があるため、投稿前に検索窓に入力して表示を確かめます。
もう1つ、確認しておきたいのが、ハッシュタグを使ったコミュニティ規定違反のコンテンツの扱いです。「Instagramのハッシュタグ検索結果に投稿が表示されるしくみ」というヘルプでは、検索結果に表示される投稿の順番を決める要素として、投稿がシェアされたタイミング、他の人のその投稿へのエンゲージメントの度合い、コンテンツがMetaのおすすめ対象のガイドラインを満たしているかどうか、が例に挙げられています。同じページには、ハッシュタグを使ってコミュニティ規定違反のコンテンツを投稿している場合、検索結果の投稿が削除されることがあるとも書かれています(Instagramヘルプセンターの検索結果に関するページ)。
この説明から分かるのは、タグ選びが表示順を左右する唯一の要素ではないという点です。タグを工夫しても、投稿そのものの内容やタイミング、他の利用者の反応といった要素は、投稿者の手の届かないところにもあります。タグの整理は、そのうちの1つの要素を丁寧に扱う作業だと位置づけてください。
入力してはいけない情報と、著作権・表示ルールで気をつけること
入力してはいけない情報と表示ルールの確認とは、AIに渡す文章に個人情報や未公開の情報を含めないことと、タグを含む投稿が広告表示やAI生成物の表示などのルールに触れないかを別の工程で確かめることである。
タグの候補を出させるときは、投稿の主題を説明する文章をAIに渡します。このとき、顧客の氏名や連絡先、社内の未公開の情報、契約上の秘密に当たる情報は渡しません。入力してはいけない情報の考え方と、サービス側のデータの扱いの確認の仕方は、生成AIに入力してはいけない情報と社内ルールの整理にまとめています。タグの整理は、公開する予定の情報だけで足りることがほとんどです。公開前の新商品の情報などを渡すときは、公開日と範囲を社内で確認してからにします。
タグの文字列そのものに、他社の商標や他人の名前が含まれていないかも確認します。AIが出した候補に、特定の会社名や商品名、個人名が混ざることがあります。投稿の主題と直接関係がなく、それらの知名度を借りる目的で付けたように見えるタグは、読者に誤解を与えるおそれがあります。著作物や商標の扱いの基本は、生成AIと著作権の確認ポイントが参考になります。迷ったら付けない、という判断にしておくと安全側に寄せられます。
投稿に広告や宣伝の要素がある場合、タグの工夫とは別に、表示のルールを確認する必要があります。企業からの依頼で商品を紹介する投稿などでは、広告であることが読者に分かる表示が求められる場面があります。この点は、ステマ規制で確認する広告表示のルールで整理しています。AI生成物を含む投稿の表示については、各SNSのAI生成コンテンツの表示ルールを確認してください。タグを整えたことで、これらの表示が不要になるわけではありません。
運用に落とし込む|タグ候補の管理表と担当の分け方
運用への落とし込みとは、タグの候補と判断の記録を1つの管理表にまとめ、誰が候補を出し、誰が確認し、いつ見直すのかを決めて、担当者が変わっても同じ品質で回せるようにすることである。
毎回AIに一から依頼する方法でも回りますが、同じテーマの投稿が続く場合は、管理表を作ると手間が減ります。管理表には、テーマごとの候補、確認日、確認した担当者、削除した理由を残します。次の表は、管理表の項目の例です。
| 管理表の項目 | 書く内容 | 更新の目安 |
|---|---|---|
| テーマ | 投稿の種類や商品の分類 | テーマが増えたとき |
| 候補のタグ | 確認済みで使える候補 | 投稿ごとに追加や削除 |
| 確認日と担当者 | アプリで表示を確かめた日と人 | 確認のたびに更新 |
| 除外したタグと理由 | 検索できなかった、主題と合わなかったなど | 除外したとき |
| 見直し日 | 次にまとめて見直す予定日 | 月ごと、または運用の区切りごと |
管理表の候補を使い回す場合でも、投稿ごとに主題との近さを確認する手順は省きません。表にあるからという理由で、内容に合わないタグを付けると、整理した意味がなくなります。表は「確認済みの候補の置き場」であり、「自動で付けるリスト」ではないという位置づけにします。
担当の分け方は、小さな運用であれば1人で兼ねても構いませんが、チームで運用する場合は、候補を出す人と、アプリで確認する人を分けると、見落としが減ります。見直しの時期は、投稿の数や運用の体制によって適した間隔が変わるため、数日前に見直す、ひと月ごとにまとめて見直す、など、チームの運用に合う区切りを決めてください。AIを使ったSNS運用の全体像を知りたい場合は、AIでSNS運用を効率化する方法の全体像も参考になります。
よくある失敗と対処|AIの候補を鵜呑みにしないために
よくある失敗と対処とは、AIが出したタグ候補をそのまま使って起きやすいずれや見落としの型を先に知り、段階ごとの確認で防ぐための対応を整理したものである。
1つ目の失敗は、候補をまとめて貼り付けて、上限を超えてしまうことです。AIは気前よく多くの候補を返しますが、公式ヘルプ(Instagramヘルプセンターのハッシュタグ使用に関するページ)には最大5個という上限が示されています。AIの出力は候補の一覧であり、そのまま貼る文章ではないと考え、少数に絞ってから使います。
2つ目は、投稿の内容と合わないタグが混ざることです。AIは、渡された情報に書かれていない内容を補って候補を出すことがあります。投稿の写真やキャプションに出ていない言葉は、段階3の基準に従って削ります。
3つ目は、過去のタグの並びをコピーして使い回すことです。内容が違う投稿に同じ並びを貼ると、主題とのずれが積み重なります。毎回、段階1の主題の文章から見直します。
4つ目は、検索の状態を確かめずに使うことです。AIは現在の検索状態を知りません。段階4の確認として、検索窓にタグを入力して表示を確かめます。表示されないタグは、公式ヘルプの説明(Instagramヘルプセンターの検索できないタグに関するページ)にあるとおり、規約やコミュニティ規定との関係で検索できない場合があります。
5つ目は、AIの説明をそのまま根拠にしてしまうことです。「このタグは人気があります」「検索されやすいです」といったAIの説明は、根拠が示されていなければ、判断の材料にしません。根拠にできるのは、投稿の内容、公式ヘルプ(Instagramヘルプセンターのハッシュタグ使用に関するページ)の記載、アプリ上で自分が確認した事実です。
これらの失敗は、特別な技術がなくても防げます。段階ごとに「AIが出したもの」と「人が確かめたこと」を分けて記録しておけば、後から見直したときに、どこで判断が入ったのかが分かります。
よくある質問(FAQ)
- Q1. ハッシュタグは1つの投稿にいくつまで付けられますか。
- Instagramヘルプセンターのハッシュタグ使用に関するページでは、1つの投稿に使用できるタグは最大5個と案内されています。上限は変わることがあるため、投稿前に公式ヘルプの最新の記載を確認してください。
- Q2. AIにタグを任せれば、投稿が多くの人に見られるようになりますか。
- そのような約束はできません。Instagramヘルプセンターの検索結果に関するページでは、検索結果に表示される投稿の順番を決める要素として、投稿のシェアのタイミングや他の人の反応、おすすめ対象のガイドラインへの適合などが挙げられています。タグはその一部に関わるにすぎません。AIは候補を整える補助として使い、結果は約束しない前提で運用してください。
- Q3. タグはキャプションとコメントのどちらに入れるべきですか。
- ヘルプでは、キャプションにもコメントにも追加できると案内されています。一方、Instagram公式ブログの検索の仕組みに関する記事では、投稿が検索で見つかるようにするには、キーワードとハッシュタグをコメントではなくキャプションに入れるよう案内されています。検索での見つかりやすさを考えるなら、キャプションに入れる運用が基本になります。
- Q4. AIが出したタグが検索できない場合は、どうすればよいですか。
- Instagramヘルプセンターの検索できないタグに関するページによると、タグに関連する内容が規約やコミュニティ規定に違反した状態が続くと、そのタグが検索できないことがあります。検索できないタグは付けずに、同じ意味で別の表現の候補に差し替えるのが現実的です。
- Q5. 非公開アカウントでもタグを付ける意味はありますか。
- ヘルプでは、プロフィールを非公開にしている利用者が投稿にタグ付けしても、投稿はハッシュタグページに公開されないと説明されています。ハッシュタグページでの発見を目的にする場合は、アカウントの公開設定を運用の方針と合わせて確認してください。非公開のまま運用する場合に、タグを整理する意味があるかどうかは、運用の目的に応じて判断します。
- Q6. どの生成AIを使えばよいですか。
- この記事で扱う作業は、文章を渡して候補を分類してもらうという、一般的なチャット型の生成AIで行える内容です。特定のサービスに限定していません。使うサービスを選ぶときは、入力した内容がどのように扱われるかを、各サービスの公式の説明で確認してから使ってください。入力する情報の考え方は、生成AIに入力する情報と社内ルールの整理が参考になります。
まとめ|AIは候補の整理役にして、付けるかどうかは投稿者が決める
Instagramのハッシュタグは、キャプションやコメントに追加でき、公開アカウントの投稿は対応するハッシュタグページに表示されます。一方で、1つの投稿に使えるタグは最大5個、スペースや特殊文字は使えない、非公開アカウントの投稿はハッシュタグページに公開されないといった決まりがあります。これらの決まりは、公式ヘルプの現在の記載で確認してから運用に反映してください。
AIの役割は、主題の言語化を助け、候補を広めに出し、分類して、選定の案を理由つきで示すことです。付けるか付けないかの判断、アプリ上での検索の確認、規約や表示ルールの確認は、投稿者が行います。段階1の主題の整理、段階2の候補生成、段階3の絞り込み、段階4の確認という流れを守り、確定したタグと削ったタグの理由を記録に残すと、運用が引き継ぎやすくなります。
まずは、次に投稿する1本で、主題の文章を作り、指示文のテンプレートに入れて候補を出させるところから試してみてください。出た候補を絞り込む基準の表と、投稿前の確認項目の一覧を手元に置いて、1回分の流れを通すと、自分の運用に合う形が見えてきます。AIを使ったSNS運用の学び方は、「ソウタのAIインスタ大学」のLINEの特典でも案内しています。
